近況

約二年ぶりの更新です。

 

天文機材は変換リングのような細々したもの以外は赤道儀に三脚と全て処分できました。

鼻息を荒くして福島や栃木の山へ撮影に行ったことが遠い昔のようになりました。

夏に自宅の庭で惑星の撮影に親しんだものの気流の悪さと20cmという中途半端な口径の望遠鏡の性能に苦々しい思いをしたことも完全に過去のことになりました。

 

その後、私たち家族にとってとても悲しい出来事がありました。

2021年の初冬に消化器型悪性リンパ腫と診断されたミックス犬のはなちゃんが約一年の闘病の末に2023年1月3日の朝、お空へと旅立ちました。

2008年の夏に運命的な出会いによってうちの子になったはなちゃん。子どものいない私たち夫婦にとって本当の娘のように可愛がってきました。

手術で腫瘍のできた腸の一部を切除してからは抗がん剤の投与を続け22年の春には寛解と診断されたのでそのまま治るとばかり思っていました。でも現実は厳しかった。

悪性リンパ腫と診断された時点でもう長くはないということだったのです。

22年の11月になると急に歩くのがゆっくりになり、日に日に弱っていくのを見ているのが辛くて怖かった。それでも翌年の桜を一緒に見るつもりでした。でも・・・

ちょうど仕事が年末年始の休みに入った辺りから本当に急激に容態が悪化し、2023年という新しい年を迎えて間もなく、あの子は逝ってしまった。

まるでパパとママがずっと家にいる時を選んで旅立って行ったようで、私が常々言っていた「奇跡の子」だったんだなあとつくづく思います。本当に手のかからない良い子でした。

そんな子が何でこんな病気に奪い去られなければならないのか。与えていたフードが悪かったのか、何か環境が悪かったのか、私がお散歩をサボったからなのか、後悔することばかりです。

あれから一年経ってしまいました。

 

実は天文機材を処分したのには天体写真の世界に嫌気が差したからというだけではありません。

処分して得られたものをはなちゃんの高額な治療費に充てようと思ったからというのもあるのです。

はなちゃんには天体写真撮影の遠征旅行にもずいぶん付き合ってもらいました。

一番遠い所で2021年5月の浄土平だったかと。今思えばその頃には少しずつ体が蝕まれていたのかもしれません。でもあの頃は元気だったなあ。硫化水素の臭いが立ち込める中、ビジターセンター前の木道をどんどん歩いて散歩したなあ。幻日が見えたのも良い思い出。

そんなはなちゃんが病気になってかかりつけの動物病院で紹介された医療センターでの検査・手術・入院からの定期的な通院。

はなちゃんとの思い出もいっぱいある天文趣味と引き換えにはなちゃんを助けたかった。

 

でも結局両方とも失ってしまいました。